NEWS

大分のニュース

10月1日(木) のニュース

2026年10月1日(木) 18:30

炊き出しの偏り、避難者数のズレ…熊本地震の支援で見えた課題 大分の防災にどう生かす

熊本地震の発生から2カ月がたちました。

1日県庁で、被災地を支援した団体の報告会が開かれました。

現地で見えた課題を大分の防災にどう生かすか、支援した人たちの声から考えます。

■産業技術総合研究所 吉見雅行さん:
「熊本地震については地震の発生確率が高いと言われてきた。それにもかかわらず大きな被害が生じている」

7月28日に発生した熊本地震では、4万棟以上の住宅が全壊や半壊などの被害を受けました。

38人が亡くなり、371人がけがをしました。

大分からは発生当日から、医療関係者や自治体の職員などが被災地に入り、2カ月がたった今も支援を続けています。

1日の報告会では、支援にあたった団体が、医療や避難所の運営、罹災証明など7つのテーマで活動を報告しました。

医療の分野では、情報収集に必要な通信環境が十分に整っていなかったといいます。

■大分大学医学部付属病院 災害マネジメント総合支援センター長 糸永一朗さん:
「(庁舎内で)インターネットになかなかつながらなかったことがある。できれば災害時や講習会の時に、県庁内で外部の人も接続できるネットワークを構築してほしい」

福祉の分野からは、避難所の運営態勢を整えるのに時間が掛かったという指摘がありました。

■県社会福祉協議会 森美菜子さん:
「避難所にいる人の避難者の名簿が作られていなかったり多くの支援者が入ってきているが、支援者間の情報共有の場がなかったり」

被災地で見えた課題は、大分でも起こりえます。

必要な支援を届けるために、どう備えればよいのでしょうか。

熊本地震の被災地では、今も大分からの支援が続いています。

この2カ月の活動で見えてきた課題を見ていきます。

まず避難者への支援です。

日田市のNPO法人リエラの松永代表理事は「炊き出しの時期に偏りがある」と指摘しました。

地震の発生から2~3週間に集中し、その後急速に減ったということです。

被災者のニーズに合わせ食事の量だけでなく、質にも目を向けた支援が必要だとしています。

また、県社会福祉協議会の森さんは、公表された避難者数と実際の人数にズレがあったと指摘しました。

公表では1000人でも、実際には500人というケースが多かったということです。

避難者数を正確に把握し、支援団体と自治体で共有できるシステムが必要だとしています。

人数にズレがあると、炊き出しや支援物資をどれだけ用意するかにも関わります。

支援する人たちが、最新の情報を共有できることが大切です。

その情報共有について、ソフトウェア開発会社「サイボウズ」の柴田さんは「能登半島地震と同じ課題が八代市でも起きた」と話しました。

避難者の名簿が手書きだったことに加え、二次避難先や医療情報が分からず、必要な支援を届けられない状況があったということです。

そこで柴田さんは、健康調査のアプリを構築しました。

福祉の支援チーム「DWAT」が集めた情報もこのアプリに集約し、支援者同士の情報共有を支えました。

この取り組みは、最初に導入した八代市からほかの自治体にも広がったということです。

ただ、システムを整えるだけでは十分ではありません。

集めた情報やAIによる分析を、必要な支援につなげられる人材を育てることも課題です。

県内の防災に関わる大分大学の鶴成教授は報告会の最後に、こう呼びかけました。

■大分大学 減災・復興デザイン教育研究センター鶴成悦久教授:
「大分でも、避難所の運営を早い段階で安定させる仕組みを具体的に考えていく必要があります。被災者一人ひとりが自立し生活を再建するまでを見据え、平時から対策を考えることが大切です。
専門機関だけでなく県民一人ひとりが熊本地震を教訓に、備えに生かしてほしいと思います」

鶴成教授が訴えたのは、避難所の運営を早く安定させること、そして、被災した一人ひとりが生活を再建するまで支援を続けることです。

そのための備えを、専門機関だけでなく、私たちも平時から考えておくことが大切です。
Xアイコン OABニュース情報センター ニュースの他、速報なども配信
YouTubeアイコン OAB大分ニュース ドキュメンタリーやLIVE配信も
Xアイコン OABニュース情報センター ニュースの他、速報なども配信
YouTubeアイコン OAB大分ニュース ドキュメンタリーやLIVE配信も

日付別ニュース一覧