19:00 更新
工業地帯の夜景を海から楽しむ夜景クルーズの実証実験が大分市で始まりました。
大分市の臨海工業地帯は鉄製品などの製造品の出荷額が九州で1位を誇っています。その工場夜景を観光資源に出来ないかと大分市がクルーズのモニターツアーを実施します。
11月15日夜は報道機関向けの試乗会があり、西大分港を出発したクルーズ船が沿岸沿いに移動し、日本製鉄のシーバースや鉄の高炉、レゾナックの高さ200mある煙突などを見て回りました。
大分市観光課高橋和志さん
「コロナ禍が明けて観光に注目が集まっている中で、大分市の新たな観光コンテンツとして作っていきたい」
11月後半から12月にかけ一般に向けたモニターツアーも実施される予定です。大分市では将来的に民間事業者への委託を検討していて、自走に向けた課題の整理をすることにしています。
なぜ大分市が工場夜景ツアーに取り組もうとしているのか見ていきます。
今回大分市が実施するモニターツアーは1人500円でJTBの予約サイト「たびーと」から申し込めます。7日間で140人の参加枠があり利用者からの意見を聞きたいとしています。
大分市が目指すのは、民間による運営です。
来年4月からのJRデスティネーションキャンペーンの目玉としても検討しています。
6年前にこんな全国組織が立ち上がりました。全国工場夜景都市協議会です。目的は工場夜景のファンを増やしその魅力を全国に発信することです。協議会に加盟しているのは北海道・室蘭や大阪・堺、北九州など13カ所です。13カ所見ての印象について協議会では工場夜景サミットを開催したり全国を回る写真展、工場夜景のカードを作ったりしてその魅力を発信しています。こうしたツアーは地域の事情を反映して発展しています。
神奈川県川崎市では2008年に「産業を観光に」というスローガンの下、ドラマチック工場夜景ツアーを実施し、去年は7053人が参加しました。静岡県富士市は夜景列車を走らせ中でもプレミアムトレインではビュースポットでの徐行や停車・途中下車しての撮影等ができます。北九州市での定期クルーズでは今年度利用者が5000人を超える見込みです。
こうしてみると地域の特性が出ますね。
それぞれの地域でいまある夜景という資源をなんとか生かそうとしています。まだ経済効果としては大きくないかもしれませんが夜の観光の可能性として協議会事務局はクルーズ+αがあるとしています。それは「来ていただけるだけでなく、泊まっていってもらえる」ことです。ツアーが基本夜なので宿泊面での経済効果も期待されているということです。