大分のニュース

２０２５年は戦後８０年です。

太平洋戦争の時にアメリカ軍が撮影した戦闘の様子です。

長年をかけてその映像を解析してきた宇佐市の市民団体が公開しました。

公開された数本の映像には国東市で撮られたものもあります。

「目の前で空襲を見た」という１人の男性は８０年前の記憶が鮮明に残っていました。

「飛行機が襲撃したという事実がずっと頭にあったんです」
Ｑ今まで誰かに話しても伝わらなかった？
「全然知りませんよ。なんにも伝わっていないそういう事実が」

わずか５秒の映像。この８０年間、男性はその日の空襲を忘れることはありませんでした。

攻撃を受けバラバラになった日本軍の機体。

ここには、宇佐海軍航空隊で教育を受けていた男性が乗っていました。

映像は、太平洋戦争中にアメリカ軍が撮影したもの。

宇佐市の地域おこし団体「豊の国宇佐市塾」がアメリカの公文書館から購入し解析を終えた１８本を新たに公開しました。

（佐藤アナ）
「ここが空襲があった場所ですか」
（林田公吉さん）
「はいそうです」

林田公吉さん９３歳。

８０年前、国東市安岐町の安岐漁港で空襲に遭いました。

（林田さん）
Ｑ落ち着く余裕は？「ない。ありませんね。「とにかく逃げないとということで上見たらすぐ（敵戦闘機がいた）。いまだに（敵の）顔がなんとなく記憶しているくらい低空（飛行）だった」

その時の映像、米軍の機体に搭載されたカメラが捉えたものです。

安岐漁港に止まっていた小型の船が攻撃を受け大きな水柱も上がっています。

（佐藤アナ）
「攻撃を受けた船はどこにあったんですか」
（林田さん）
「赤い橋の真ん中の２～３メートル手前かな」

さらに当時の状況を詳しく教えてくれました。

（林田さん）
「竹がぎっしりあったんです、この電柱の周辺に。ちょこちょこっと瞬間的だった（敵戦機が）見えたのが。（飛んでいたのは）竹のちょっと上ぐらい」

当時１３歳だった林田さん。

上空から敵が近づいてくるのを見て、一緒にいた友人ら５～６人で慌てて身を隠しました。

（林田さん）
「とにかく竹の中に入るしか頭がなかった。そりゃ怖いですよ、頭の中が真っ白。とにかく逃げることでいっぱい。いまだにその状況は忘れません」

８０年たったいまも鮮明に残る記憶。

しかしこれまで、町の歴史を調べても安岐町の空襲の記録は全く見つからなかったそうです。

（佐藤アナ）
「戦後８０年経ちましたがこういう映像が出たことはよかったですか」
（林田さん）
「よう見つけてくれた感謝しています。なんにも伝わっていないそういう事実が。そういうことが戦時中にあったということを徹底して伝えなければいけない」