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12月5日(金) のニュース

2025年12月5日(金) 20:12

車いす利用者に“踏切の落とし穴” 前輪が挟まり身動き取れなくなる恐れ

今週月曜日、別府市で、JR日豊線の踏切内にいた車いすの46歳の男性がはねられ、死亡する事故が起きました。

男性の身元や、なぜ線路にいたのかなどはわかっていませんが、車いすの利用者にとって踏切はとても危ない場所なんです。

■江藤アナウンサー:
「現場の踏切は交通量が多く、歩道も確保されています。ただ、近くには急な坂道もあり、線路にもすき間があって、車いすでは通行しにくいのが伺えます」

警察によりますと、今週月曜日の夜8時すぎ、JR日豊線の別府駅と別府大学駅の間にある吉弘踏切で、車いすの男性が列車にはねられ死亡しました。

運転士は「線路上に人がいた」と話しているということです。

■太陽の家・池部純政さん:
「実際に踏切が怖いという声はよく聞く」

障がいがある人が自立できるよう、60年の長きにわたって支援を続けている福祉施設「太陽の家」には、車いすの利用者が事故に遭わないよう訓練ができる踏切に見立てた場所を設けています。

実際に体験させてもらうと…

■江藤アナウンサー:
「あ…動かないですね。タイヤが空回りして前に全然進まない。遮断機が下りてくると想像すると怖い」

前輪の小さなタイヤが線路の隙間にはさまり、腕力がある人でも容易に抜け出すことができません。

■太陽の家・池部純政さん:
「車いすを勢いよくこげない方や、片まひの場合は、片手片足でこぐ。前のキャスターがはまってしまうことがある」

太陽の家の池部さんによりますと、後ろに引っ張れば抜けられますが、警報機が鳴り始めるとパニックになってしまう人もいるそうです。

車いす利用者にとって危険な場所になりうる踏切。

さらに、私たちの行動でその危険が増す可能性もあるんです。

危険なのは車いすの前輪です。

この小さいタイヤが線路のすき間に挟まってしまうと、動けなくなってしまうんです。

そして線路の構造が危険な場合もあります。

踏切の前後に傾斜がついている場所もあります。

歩行者にとっては気にならないくらいの傾斜かもしれませんが、車いすを動かすときは少しの傾きでも、進み方が変わってしまうこともあるんだそうです。

そして、私たちの行動が危険を大きくすることもあります。

もし、歩行者と対面して車いすの人がよけようと右か左に動くと、タイヤが横向きになって線路のすき間に挟まる可能性があります。

車いすの人が前から進んで来たら譲るようにしてください。

太陽の家の池部さんは、「もし踏切を渡ろうとする車いす利用者を見かけたら問題なく渡れるかを気にかけてほしい。困っている様子であれば手助けをしてもらえたら」と話しています。
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