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11月7日(金) のニュース

2025年11月7日(金) 19:55

クラサスドーム大分の屋根開閉 修理に“30億円”ナゼ?

クラサスドーム大分の開閉式屋根が動かなくなっておよそ1年半。県が修理の見通しを発表しました。

その額はおよそ30億円。なぜ、これほどの費用がかかるのでしょうか。

■大分市民:
「閉まってもらった方がいいが、ちょっと高いな」
「なんで30億もなの、とクエスチョン。最初作った時点で計算で分かってるでしょ」

大分トリニータの試合などさまざまなイベントに使われているクラサスドーム。

大きな特徴のひとつ、開閉式の屋根は、去年6月から動かなくなっています。

本来なら、この白い屋根部分が中央に向かって動く仕組みですが…。

■江藤アナウンサー:
「その開閉式屋根の下に、屋根を引っ張り上げるケーブルがあります。このケーブルが老朽化したことで、屋根が動かせなくなっているんです」

ドームの完成から24年。20本のうち10本で、ワイヤーや滑車の交換が必要となりました。

■佐藤知事:
「おおむね3年をかけて(ワイヤーの)取替を行い、費用はおおよそ30億円を見込んでいる」

県は、多額の費用を投じてでも屋根を動かせるようにする考えです。

その理由については…。

■佐藤知事:
「スポーツ競技団体から開閉式屋根の再開を強く求める声をいただいた。しっかり使えるようにしたい」

クラサスドーム大分の屋根の修理、県は3年計画で進める方針です。

費用対効果や、県民の理解をどう得ていくかが、今後の課題です。

30億円、こちらがその内訳です。

新たなワイヤーや滑車の材料費として15億円ほど。

作業員の人件費などでおよそ10億円。

作業に必要な足場の設置などに5億円から6億円。県はこのように見込んでいます。

これだけの費用をかけて屋根を動かすわけですが、そもそもどのくらい使われていたのかというと、稼働が止まる前、去年6月までの1年間では、年に40往復。

平均すると、9日に1回のペースです。

イベントやサッカーの開催時に動くことが多く、1回動かす費用は2万8100円です。

実際、屋根が動くことへの需要は高いんです。

クラサスドームはサッカーだけでなくさまざまな場面で使われています。

大分陸上競技協会は、「屋根が無いと猛暑や雨によって競技記録に影響が出ることがある。障がい者スポーツでは少しの雨で中止になることもある」と屋根の重要性を指摘しています。

また佐藤知事は、「今年の夏にあった大規模なコンサートの開催で、イベント利用のポテンシャルを感じた」と述べています。

こうした県の判断に対しては、専門家から課題を指摘する声もあります。

地方行政に詳しい日本文理大学、長崎浩介教授は、「インフラ投資が場当たり的な印象を受けた。コストと便益を比較できる情報や、長期的な修繕計画が不足している。道路・学校など他のインフラとのバランスが適切かどうかが分からない。県民への説明が足りないのでは」と話しています。

県民が納得できる説明をどう示していくかが今後のポイントになりそうです。
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