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10月29日(水) のニュース

2025年10月29日(水) 18:54

小学校“いじめ”認知件数が減少 専門家「数字だけで判断できない」 “学校のあり方”問い直す時代

学校でのいじめや不登校についての調査結果が発表され、小学校での「いじめ」の認知件数が大きく減っていることが分かりました。

その理由と、今後の課題です。

国がすべての小・中・高校を対象に毎年行っている調査で、今回は昨年度の結果が公表されました。

それによりますと、いじめの認知件数は中学校や高校で増加していた一方、小学校では5898件と、前の年よりおよそ1300件減少しました。

その要因について県は--。

■県学校安全・安心支援課 松村義広課長:
「普段から、複数の教員が子どもと関わることで、組織的な生徒指導体制の充実が図られていること等が要因に挙げられる」

ただ、急激な減少については「見逃しがないよう注意したい」としています。

一方で、小学生の不登校は89人増加。

全国的にも不登校は増える傾向にあり、背景には要因の多様化・複雑化があるといいます。
■県学校安全・安心支援課 松村義広課長:
「生徒を取り巻く多様な関係者の視点から状況をとらえ、支援することが必要」

小学校での「いじめの激減」。この結果を良い傾向とみていいのか--。

専門家の分析とともに詳しくお伝えします。

ここからはフカボリです。

いじめと不登校の実態について掘り下げます。

県が公表した最新の調査では、いじめの認知件数は中学校が1714件、高校が134件と、いずれも前年より増加しました。

一方で、小学校は5898件と1299件減り、大きく減少しています。

県はその理由として、「教科担任制」の導入で、複数の教員が児童を見守る体制ができたこと、いじめ予防教室や教員研修を実施していることを挙げています。

しかし、教育社会学が専門の大分大学・藤村晃成准教授は、このように指摘します。

「認知数の減少がそのままいじめの減少を意味するわけではない。SNS上など、表に出にくいいじめも増えている。子どものSOSをどう察知できるかが重要」

そのうえで、「教科担任制のように複数の教員で子どもを見守る仕組みは、相談しやすい安心感につながる」と評価しています。

続いて不登校です。

昨年度は小学校で1133人と増加し、中学校は1942人と減ったものの、依然として高い水準です。

藤村准教授は、「学校が何のためにあり、どうあるべきかを問い直す時代に入っている」と話します。

これまでは子どもを「学校に適応させる」ことに重きが置かれてきましたが、これからは「学校をどう変えていくかを教師と子どもが一緒に考える必要がある」と指摘します。

その動きのひとつとして、県内では不登校の子どもが自分のペースで学べるフリースクールが増えています。

県のまとめでは、今年4月時点で24カ所。

フリースクールのような選択肢が広がる一方で、学校そのものも時代に合わせたアップデートが求められています。
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