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10月15日(水) のニュース

2025年10月15日(水) 19:42

分譲マンションに迫る“2つの老い” 建物と住民の高齢化が課題―法改正で何が変わる

いま全国の分譲マンションで「2つの老い」と呼ばれる問題が深刻になっています。

その解決につなげようと大分市でセミナーが開かれました。

県や大分市は、3年前からマンションの適切な管理方法について知ってもらおうと定期的にセミナーを開催しています。

15日は管理組合の役員や住民など約50人が参加しました。

市の担当職員が、建物の老朽化が進んで危険になるほか大規模修繕工事にかかるコストが上がっていくことを説明。「適切な管理を」と呼び掛けました。

■参加者:
「大規模修繕を定期的にしないといけないけど、近年の物価高、資源の高騰、資材の高騰の伸びとマンションの管理費など。高齢で年金生活者の方は、わずかな管理費でも値上げが非常に厳しいという反対が多い」

■大分市住宅課 藤恭暢課長:
「建物の重要な部分まで劣化すると、改修するのは多額の費用がかかる。何千万円という金額それに備えて修繕積立金が重要になる」
こうした課題解決のため来年の4月には法律が変わります。

何が変わるのか、そして問題となっている「マンションの2つの老い」とは。

ここからはフカボリです。

修理ができずそのままにしておくと外壁が破損するなど危険性が高まります。分譲マンションの実態を見ていきます。

大分市内の分譲マンションです。

2025年1月1日時点で563棟、あわせて2万6047戸です。

人口にすると大分市内の約1割に当たります。

市によりますと大分市内で最も古いのは1973年に建てられました。築52年です。

そこから数は増えていき平成に入ると建築ラッシュに。

1990年には最も多い33棟の分譲マンションが1年間で建ちました。

ただそのマンションもすでに築30年以上経っています。

この言葉を聞いたことはあるでしょうか。「2つの老い」。

「建物の老朽化」と「住む人の高齢化」が課題となっています。

この2つの老いによって、管理者の成り手不足や修理費用が集まらないなどのデメリットが出てきます。

この課題を解決しようと、いま国は対策を進めています。法律の改正です。

マンションの管理・運営に欠かせない「区分所有法」が改正され来年4月に施行されます。

何が変わるのか、例えばマンションに防犯カメラを設置したり、バリアフリーにしたり、共用部分を変更する場合は、通常、住民の話し合いや賛同が必要です。

現在の法律では、そのマンションに住む所有者の4分の3以上の賛成が必要ですが、所有者が分からない部屋や空き家が増えているため合意が得られにくく、修繕が進まないという課題があります。

このため、今回の法改正でルールが緩和されました。

全員の4分の3ではなく、話し合いに出席した人うちの4分の3以上で可決になるためより合意が得られやすくなります。

今後10年、20年先には老朽化するマンションが2倍3倍と増えていきます。

危険を及ぼさないためにも2つの老いの対策は早急に進める必要があります。
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