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6月23日(月) のニュース

2025年6月23日(月) 19:43

元ヤングケアラーが自身の経験を語る 県内に少なくとも2100人はいると推計

家族の世話などを日常的に担っている、「ヤングケアラー」。その経験者が講演し、「子どもたちを気に掛け声を掛けてほしい」と訴えました。

元ヤングケアラー 高岡里衣さん:
「ヤングケアラーが担っているのは、お手伝いの範囲を超えるものです。年齢や成熟度に見合わない過度なケア負担、負担や責任を背負い続けることで、子どもにさまざまな影響が現れる」

別府市で開かれた講演会に登壇した高岡里衣さん。9歳の頃、母親が難病にかかり、それから24年間介護と家事に追われる生活を続けました。

家のことと自分がやりたいことの両立に悩んだ経験から、現在は全国を回って自身の体験を伝えています。

元ヤングケアラー 高岡里衣さん:
「身近な子どもたちがしんどい思いをしていないか、普段どういう生活をしているのかと気に掛けて声を掛けてもらいたい」

2024年公表された県の調査によりますと、県内には少なくとも2100人のヤングケアラーがいると推計されています。

家族の世話に追われ「自分の時間がない」「宿題や勉強の時間が取れない」などの声も寄せられたそうです。

ヤングケアラーが抱える課題と、支援に向けた取り組みとは…。

ここからはフカボリです。
ヤングケアラーは、県内に少なくとも2100人はいると推計されています。抱えている課題と支援に向けた取り組みを見ていきます。

大分県内では、2023年度すべての市町村に相談窓口が作られました。

その1年間に178件の相談が寄せられたのですが、本人からの相談はほとんどなかったそうです。

小学4年生から24年にわたって母のケアをしていた元ヤングケアラーの高岡里衣さんも、「“家が大変だから家のことをしている”という認識で特別なことをしている意識はなかった。母のケアが終わった時に初めて24時間のすべてが自分の時間であることを実感した」と話しています。

この「特別なことをしている意識はなかった」というのがポイントで、「誰にも相談できず1人で抱え込んでしまい、身体的・精神的な負担となっている」のが現状です。

では、こうした子どもたちの支援に向けどのような取り組みをしているのでしょうか。

大分・別府・中津・日田・佐伯の県内5カ所にある「児童家庭支援センター」では、ヤングケアラーに特化した社会福祉士や心理士、相談員が対応します。

ヤングケアラーの「居場所」を作るのがその狙いです。

また、県がこれまでに2度実施した実態調査は無記名でしたが、2025年度はすべての市町村で任意での記名、本人が名前を書けるような調査を検討しています。

こうすることでどの児童、生徒が悩んでいるかを知ることもできます。

県子ども・家庭支援課は「ヤングケアラーの実態を把握し家事支援やデイサービスの利用につなげたい」としています。

「助けて」と声を上げることができ、行政も支援がしやすくなる体制づくりが求められます。
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