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6月4日(水) のニュース

2025年6月4日(水) 19:53

竹田支援学校で水害を想定した訓練 2012年の九州北部豪雨で被災 緊急時への備え

梅雨入りを前に、竹田市の特別支援学校で避難訓練がありました。

こちらは過去に2度浸水被害が起きていて、障害がある子どもたちを守ろうと緊急時の安全な避難方法を確認しました。

小学部から高等部の児童・生徒48人のほか、保護者や地域住民などあわせて約100人が参加しました。

授業中に警戒レベル3の大雨警報が出たという想定で校内放送が流れた後、300メートルほど離れた南部小学校に歩いて避難しました。

避難訓練は毎年行っていますが、2024年からは、コミュニケーションを図っていこうと、保護者や住民も訓練に参加し地域の多くの人たちが子どもたちを支えています。

訓練に参加した地域住民:
「災害があった時には避難をするということを覚えていただけたら」
「共助というところを出しながら、みんなで有事の際には助け合うことが大事と思います」

校舎が県道よりも低い位置にある竹田支援学校。近くの川がはん濫するなどして過去に2度被害に遭っています。

竹田支援学校 渡辺文代教頭:
「高等部棟の入り口の窓の上のところまで水位が上がったと聞いています」

13年前の九州北部豪雨では、竹田市で多くの建物が壊れ床上・床下浸水も発生。犠牲者も出ました。

竹田支援学校でも1階の教室が浸水。学校の再開が遅れるなどの影響が出ました。

竹田支援学校 渡辺文代教頭:
「慣れない場所に移動するのに不安がある。いつものスケジュールと違うことに抵抗を示す生徒がいます。(訓練で)そういった場面を経験できたらと考えています」

中には言葉が話せない子や、パニックになりやすい子も通う特別支援学校。スムーズに、そして安全に避難するためにあるアイテムを使っていました。

ここからはフカボリです。

これから大雨などで災害が発生しやすい季節になります。

スムーズな避難ができるように特別支援学校でしている工夫、主に2つのポイントがあるそうです。

まずは「大きな音に慣れる」こと。例えば火災のベルやスマートフォンから鳴る緊急地震速報などがあります。

先生によりますと、中には大きな音でパニックになって動けなくなったり逃げ出してしまう子もいるということです。

そこで竹田支援学校が解決策として挙げているのが「予告なしの訓練」です。

4日に行われた避難訓練とは別にベルの大きな音に慣れることに重点を置くなど短い訓練を予告なしで行っています。

子どもたちに知らせないのはもちろん、担任の先生にも知らせないことで、先生側の対応の強化も目指していて、月に1回程度は行いたいということです。

いざという時に子どもたちがパニックになって動けないことが一番のリスクです。

まずは慣れることが第一歩だそうです。

そしてもうひとつが緊急時も冷静に会話ができるための工夫です。

それが「絵カード」。

普段の授業でも使用しているそうですが、カードには、トイレや体育館などの場所や、うれしい、悲しいなどの感情などがイラストと文字で書かれています。

こういったカードを使うことで、言葉がうまく話せない子どもとのコミュニケーションも取りやすくなります。

避難する時だけでなく、避難生活が始まってからも活用でき、慣れない生活のパニックを防ぐことにつながるという効果もあります。

今回は、特別支援学校で行っている避難のための工夫を紹介しましたが、予告なしの訓練や絵カードを使った会話というのはどちらも私たちの備えにも生かせるかもしれません。
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