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5月20日(火) のニュース

2025年5月20日(火) 19:29

“海底熟成酒”佐伯湾でじっくり5カ月 まろやかな味、華やかな香りに変化

「海底熟成酒」。海の底でじっくりと熟成させたお酒です。佐伯湾でその引き揚げ作業がありました。

海中から引き揚げられる金属製の大きな籠。たくさんのボトルが入っています。深さ15メートルの海底に沈められた赤ワインに白ワイン、さらにはスパークリングワインや焼酎も。あわせて300本が5カ月ぶりに姿を現しました。

鶴見地域シングルシード養殖協議会 芦刈貫太さん:
「海の中で保存することによって、味がまろやかになって、普通のワインと違った飲み心地になる」

佐伯市鶴見の漁師たちが中心となり、地域の酒屋や飲食店が協力して4年前に始まった取り組みです。始めた当初は、酒について学び、瓶の中に海水が入らない工夫など、試行錯誤したそうです。

鶴見地域シングルシード養殖協議会 芦刈貫太さん:
「漁業1本だけでなく、新たな活動によって、漁業者や地域のほかの人がいろんな面で携わって盛り上がっていきたい」

このユニークな「海底熟成酒」の取り組みが始まったきっかけは、コロナ渦で飲食店などへの魚介類の出荷が減少したことでした。

佐伯市の漁師の皆さんが4年前に、「地元の強みを生かした新しいビジネスを」という思いからスタートしました。

では、海底で熟成するとどんな味になるのか。海底に沈めた酒は、安定した水温、適度な水圧、紫外線が届かない暗闇、そして波や海流による微振動の効果で、酸味や苦みがなくまろやか、そして華やかな香りに変化するそうです。

その味を楽しむためには、佐伯市鶴見にあるフルタ酒店では、店舗とネット販売で入手できます。商品によって値段は異なりますが、4800円から1万1000円ほどで購入できます。6月下旬に販売開始の予定です。

佐伯市東町のフランス料理店、「ムッシュカワノ」でも食事と一緒に楽しむことができます。

4年目を迎えたこの取り組み。鶴見地域シングルシード養殖協議会の芦刈貫太さんは、「地域の方々と共に頑張って事業を継続し、いろんな人に飲んでもらい、おいしいと言ってもらえるようにしたい」と話しています。お酒の味と今後の取り組みが注目です。
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