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大分のニュース
5月15日(木) のニュース
2025年5月15日(木) 19:17
「障害者の移動の権利を侵害」駅の無人化めぐる訴訟 JR社員が証言台に 利便性・安全性確保と経営の両立は
駅無人化の撤回を求めて県民がJR九州を訴えている民事裁判が大分地裁で開かれました。証言に立ったJR九州の社員が、「利用客の安全は確保できている」と主張しました。
この裁判は「駅の無人化は障害がある人の移動の権利を侵害している」などとして、2020年9月、6人の県民がJR九州を相手取り、損害賠償と無人化の撤回を求めて大分地裁に訴えたものです。
15日は、JR九州の社員2人が証言台に立ちました。社員は「人員不足などから人に頼らない駅を作っていく必要がある」と説明。原告側からの「無人化により安全やサービスが低下したとは考えられないか」との質問に対しては「可能な限りサポートする取り組みを行い、維持できている」と主張しました。
また、「事故が起こった時無人駅だと救助などの対応が遅れるのではないか」と問われると、「無人駅だからと対応が変わることはない。無人駅についても、巡回をしながら安全を確保している」と答えました。
原告側の代理人 徳田靖之弁護士:
「無人駅だろうと有人駅だろうと、事故が起こっても変わりませんと平然と言う。駅に誰かがいるかいないかで、どれだけ違うか、全く顧みようとしない」
JR九州は「裁判についてのコメントは差し控える。裁判所から求められる事項については真摯に対応していく」とコメントしています。
駅の無人化と利便性・安全性を確保すること。その現状をみていきます。JR九州の無人駅は現在340駅あります。全体の59.4%と6割近くです。JR九州によりますと、無人化の要因として、・労働力不足や・激甚化する災害による経費負担の増加などが挙げられます。
大分支社の管内でも駅の無人化は進んでいて、現在は、全部51の駅が無人です。そして大分市内では、日豊線の高城駅や大在駅、豊肥線の敷戸駅など10の駅が無人化され、2018年以降スマートサポートステーションと呼ばれるシステムが導入されました。
無人駅なので駅員はいませんが、係員が1日1回以上巡回し、遠隔カメラでオペレーターが状況を確認します。
一方、無人駅での視覚障害者の事故も発生しています。2022年にはJR津久見駅で目が不自由な女性が列車にはねられ、死亡する事故が発生しました。裁判ではこの事故に関して、駅の無人化と事故の因果関係も争点のひとつになっています。
昨年度は九州全体で、ホームから転落した事案が39件起きていて、このうち有人駅が37件、無人駅が2件です。県内の無人の駅では発生していません。
JR九州は、現時点ではこれ以上、スマートサポートステーションを拡大する計画はないとしていて、すでに導入している駅では「録画・遠隔カメラを増設するなど体制を整えている」としています。
この裁判は「駅の無人化は障害がある人の移動の権利を侵害している」などとして、2020年9月、6人の県民がJR九州を相手取り、損害賠償と無人化の撤回を求めて大分地裁に訴えたものです。
15日は、JR九州の社員2人が証言台に立ちました。社員は「人員不足などから人に頼らない駅を作っていく必要がある」と説明。原告側からの「無人化により安全やサービスが低下したとは考えられないか」との質問に対しては「可能な限りサポートする取り組みを行い、維持できている」と主張しました。
また、「事故が起こった時無人駅だと救助などの対応が遅れるのではないか」と問われると、「無人駅だからと対応が変わることはない。無人駅についても、巡回をしながら安全を確保している」と答えました。
原告側の代理人 徳田靖之弁護士:
「無人駅だろうと有人駅だろうと、事故が起こっても変わりませんと平然と言う。駅に誰かがいるかいないかで、どれだけ違うか、全く顧みようとしない」
JR九州は「裁判についてのコメントは差し控える。裁判所から求められる事項については真摯に対応していく」とコメントしています。
駅の無人化と利便性・安全性を確保すること。その現状をみていきます。JR九州の無人駅は現在340駅あります。全体の59.4%と6割近くです。JR九州によりますと、無人化の要因として、・労働力不足や・激甚化する災害による経費負担の増加などが挙げられます。
大分支社の管内でも駅の無人化は進んでいて、現在は、全部51の駅が無人です。そして大分市内では、日豊線の高城駅や大在駅、豊肥線の敷戸駅など10の駅が無人化され、2018年以降スマートサポートステーションと呼ばれるシステムが導入されました。
無人駅なので駅員はいませんが、係員が1日1回以上巡回し、遠隔カメラでオペレーターが状況を確認します。
一方、無人駅での視覚障害者の事故も発生しています。2022年にはJR津久見駅で目が不自由な女性が列車にはねられ、死亡する事故が発生しました。裁判ではこの事故に関して、駅の無人化と事故の因果関係も争点のひとつになっています。
昨年度は九州全体で、ホームから転落した事案が39件起きていて、このうち有人駅が37件、無人駅が2件です。県内の無人の駅では発生していません。
JR九州は、現時点ではこれ以上、スマートサポートステーションを拡大する計画はないとしていて、すでに導入している駅では「録画・遠隔カメラを増設するなど体制を整えている」としています。