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4月25日(金) のニュース

2025年4月25日(金) 19:56

【大分】人間魚雷「回天」訓練員を慰霊 戦後80年 戦争の悲惨さ“伝承”が課題に

かつて日出町には、旧日本軍の特攻兵器人間魚雷「回天」の訓練基地がありました。基地が開設された日に合わせて、訓練を受けた搭乗員らを祭っている回天神社で、霊を慰める「例祭」がありました。

日出町の、人間魚雷「回天」大神訓練基地。終戦の年、1945年4月25日に特攻作戦に備えるために開設されました。

毎年基地の跡地で慰霊祭が行われてきましたが、今年は戦後80年の節目に合わせて、近くの回天神社で「例祭」というかたちで開催されました。歴史を伝える町内のボランティアグループや、地域の人たちおよそ60人が出席しました。

参加者の中には、父親が「回天」の訓練生だったという遺族の姿もありました。

秋広英二さん(69):
「訓練中に砂浜に突っ込んで何日間か回天の中にいたと(父から)聞いたことはある。残された人がここに回天基地があったと後世に伝えていかなければならないと思う」

戦争の悲惨さを伝える語り部が少なくなる。終戦から80年、課題が浮かび上がっています。

終戦間際の旧日本軍の作戦「回天」。人間魚雷ともいわれています。回天は、全長14メートル余りで1人乗りの特攻兵器です。回天の訓練基地は全国に4カ所、日出町と山口県内にありました。

大分にあったのが大神訓練基地です。1945年4月に「大神突撃隊」が発足。その後出撃することはなく終戦を迎えましたが、訓練中に空襲などで亡くなった人がいました。そして、今から10年前に基地の跡地に記念公園が整備され、当時の記憶を継承しています。

しかし、その伝え続けるということに課題があります。長年「大神回天会」というボランティア団体が、回天にまつわる研究や語り部の活動に取り組んできました。しかし高齢化で会員が減少。精力的に活動していた代表の方が、今年1月に亡くなられました。

去年、「ボランティアグループ日回」が発足し、大神回天会の活動を引き継いでいます。代表の長野久子さんは「学校から家庭へ。家庭から地域へ平和の考えが広まってほしい」と話します。

地元の大神小学校では、毎年6年生が、平和学習で回天について勉強をしています。卒業前に発表会を開いて平和について感じたことを児童が発表しています。若い世代が理解を深めることが平和の大きなバトンになるのかもしれません。
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