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11月26日(水) のニュース
2025年11月26日(水) 19:42
“空き家”と“人口減少”が延焼拡大のリスクに 佐賀関大規模火災で専門家が指摘
大分市佐賀関で起きた大規模火災。地域防災の専門家は「空き家」と「人口減少」がもたらす火災のリスクを指摘しています。
佐賀関の火災現場付近を歩いてみて分かったのは、木造の古い家。そして、空き家の多さです。
大分市によると、今回の火災で焼損した建物、およそ170棟のうち70棟が空き家だったということです。
地域防災について研究している大分大学の小林祐司教授は、火災における空き家のリスクについて。
■大分大学理工学部 小林祐司教授:
「老朽化をしていて燃えやすい。朽ちやくなっています。そこからまたさらに延焼する恐れがある」
2020年度に市が実施した調査によると、佐賀関には561軒の空き家があり、そのうち34%が1959年以前に建てられたもので、全体の7割が45年以上前の建物です。
小林教授は、これらの古い空き家が火災で崩れた時に火の粉が上がり、それが広範囲への延焼につながった可能性を指摘しています。
さらに…
■小林祐司教授:
「避難行動で人家、空き家、人家と並んでいた時に空き家が燃えていること伝わらない。『燃え移りますよ』という情報が、コミュニティの中で伝わりにくくなる」
また、空き家が増えることは人口が減ることとも比例するため、別の問題も出てくると話します。
■小林祐司教授:
「人口減もリスクを高めてしまう。何か起きたときの対応の難しさにつながっている」
延焼が広がった要因の空き家問題は、「撤去」や「整備」など、一筋縄にはいかない対応の難しさも…。
空き家が抱える火災のリスクを見ていきます。
大分市佐賀関の大規模火災では、空き家の多さが延焼が広がった要因のひとつとなりました。
大分市の空き家の実態から見ていきます。
2020年度の市の調査によりますと、大分市全域で3408件の空き家があり、そのうち佐賀関地区は561件の空き家があることが分かりました。
さらに、その空き家のうち、掃除など管理されないまま放置されている割合が79%。
これは、大分市内で最も高い数字となっています。
どうして放置されてしまうのか。
市の調査によると、空き家の所有者は70代以上が半数を占め、60代も多くなっている。
アンケートの回答では、「空き家の管理が、年齢・体力的につらい」という声が多く、高齢が理由で管理が困難な事例が多くあることが分かりました。
そして、放置された空き家は火災延焼のリスクも伴います。
防災が専門の大分大学・小林祐司教授は、「防災の観点からみると、使わない空き家を撤去することで、延焼を防ぐ空間ができる。また消火活動のスペースにもなる」と話しています。
なぜ、佐賀関で空き家の撤去が進まないのか。
その要因として次のことが挙げられます。
佐賀関は、狭い土地に住宅が密集していて、道が狭く、車両が入れない場所も多くあります。
そうすると、重機やトラックを使った撤去作業も思うようにいかず、人力での作業や運搬が必要となり、費用が膨らむことがあるということです。
県解体工事業協会によると、空き家の撤去費用の相場は、木造1坪あたり5万円ですが、車両が入れず人の力で作業した場合、10万円に上ることもあるということです。
自治体は、空き家の撤去にかかる費用に補助金を出すなど支援もしていますが、現実には撤去が進んでいないのが実状です。
小林教授は、空き家問題は佐賀関地域に限った問題ではなく、地域の防災を考える上でも重要な課題だと話します。
佐賀関の火災現場付近を歩いてみて分かったのは、木造の古い家。そして、空き家の多さです。
大分市によると、今回の火災で焼損した建物、およそ170棟のうち70棟が空き家だったということです。
地域防災について研究している大分大学の小林祐司教授は、火災における空き家のリスクについて。
■大分大学理工学部 小林祐司教授:
「老朽化をしていて燃えやすい。朽ちやくなっています。そこからまたさらに延焼する恐れがある」
2020年度に市が実施した調査によると、佐賀関には561軒の空き家があり、そのうち34%が1959年以前に建てられたもので、全体の7割が45年以上前の建物です。
小林教授は、これらの古い空き家が火災で崩れた時に火の粉が上がり、それが広範囲への延焼につながった可能性を指摘しています。
さらに…
■小林祐司教授:
「避難行動で人家、空き家、人家と並んでいた時に空き家が燃えていること伝わらない。『燃え移りますよ』という情報が、コミュニティの中で伝わりにくくなる」
また、空き家が増えることは人口が減ることとも比例するため、別の問題も出てくると話します。
■小林祐司教授:
「人口減もリスクを高めてしまう。何か起きたときの対応の難しさにつながっている」
延焼が広がった要因の空き家問題は、「撤去」や「整備」など、一筋縄にはいかない対応の難しさも…。
空き家が抱える火災のリスクを見ていきます。
大分市佐賀関の大規模火災では、空き家の多さが延焼が広がった要因のひとつとなりました。
大分市の空き家の実態から見ていきます。
2020年度の市の調査によりますと、大分市全域で3408件の空き家があり、そのうち佐賀関地区は561件の空き家があることが分かりました。
さらに、その空き家のうち、掃除など管理されないまま放置されている割合が79%。
これは、大分市内で最も高い数字となっています。
どうして放置されてしまうのか。
市の調査によると、空き家の所有者は70代以上が半数を占め、60代も多くなっている。
アンケートの回答では、「空き家の管理が、年齢・体力的につらい」という声が多く、高齢が理由で管理が困難な事例が多くあることが分かりました。
そして、放置された空き家は火災延焼のリスクも伴います。
防災が専門の大分大学・小林祐司教授は、「防災の観点からみると、使わない空き家を撤去することで、延焼を防ぐ空間ができる。また消火活動のスペースにもなる」と話しています。
なぜ、佐賀関で空き家の撤去が進まないのか。
その要因として次のことが挙げられます。
佐賀関は、狭い土地に住宅が密集していて、道が狭く、車両が入れない場所も多くあります。
そうすると、重機やトラックを使った撤去作業も思うようにいかず、人力での作業や運搬が必要となり、費用が膨らむことがあるということです。
県解体工事業協会によると、空き家の撤去費用の相場は、木造1坪あたり5万円ですが、車両が入れず人の力で作業した場合、10万円に上ることもあるということです。
自治体は、空き家の撤去にかかる費用に補助金を出すなど支援もしていますが、現実には撤去が進んでいないのが実状です。
小林教授は、空き家問題は佐賀関地域に限った問題ではなく、地域の防災を考える上でも重要な課題だと話します。


