おおいたの郷土料理と粉食文化

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OITA FOOD CULTURE

大分の郷土料理の
特色と粉食文化

大分県では、海から山まで、地域の自然や暮らしに合わせて、さまざまな料理が作られてきました。例えば、海沿いの地域には魚を使ったりゅうきゅうやごまだしが伝わり、鶏肉とごぼうを使った鶏めしは県内各地で親しまれてきました。昔は米が十分にとれない土地もあり、麦やさつまいもが毎日の食事を支えました。また、収穫した食材を干して保存するなど、食べものを大切に使う工夫も生まれました。

りゅうきゅう
りゅうきゅう
ごまだしうどん
ごまだしうどん
鶏めし
鶏めし

こうした暮らしの中で育まれた食文化の一つが粉食です。台地が多く米づくりに向かない土地が多かったため、古くから畑で麦やさつまいもが育てられ、粉にしてさまざまな料理に使われてきました。

粉食文化MAP

小麦粉をこねた一つの生地から、さまざまな料理が生まれました。汁に入れれば「だんご汁」、ゆでてきな粉と砂糖をまぶせば「やせうま」、残った生地を焼けば「ひやき」になります。ほかにも、さつまいもを混ぜて蒸す「石垣もち」、さつまいもを生地で包む「ひっかぶせもち」、薄く焼いて黒砂糖を巻く「じり焼き」、小麦粉で作る蒸し饅頭「ふくらかし」などがあります。こうした粉ものは、子どものおやつや、田植えなど農作業の合間にとる「小昼」として食べられました。

粉食は行事とも結びついています。弘法大師のお接待やお盆には「やせうま」や団子を作りました。貴重な米の粉は、お盆やお彼岸の団子、出産した女性に食べてもらう「へそ団子」など、主に行事に使われました。へそ団子は赤ちゃんのへそに見立てて中央をくぼませます。

県内全域に伝わる粉食料理

だんご汁
だんご汁
やせうま
やせうま
石垣もち
石垣もち

食生活が変わり、「かんころ団子」など作る機会が減ったものもあります。「だんご汁」や「やせうま」は、今も県内の家庭で作られています。

小麦粉とさつまいもの郷土料理

石垣もち
角切りのさつまいもを生地に混ぜて蒸す
ひっかぶせもち
輪切りのさつまいもを生地で包んで蒸す
しんちょうきもち
さつまいも入り生地で小豆餡を包み蒸す
そらきたもち
ゆでたさつまいもの生地で芋餡を包む

小麦粉の郷土料理

だんご汁
手で伸ばした団子を入れた汁
ほうちょう
長く伸ばした麺をだし汁で食べる
落とし団子
丸めた生地をそのまま汁に落とす
ふくらかし
小麦粉の生地で餡を包む蒸し饅頭
いぜもち・ゆでもち
生地を平たくのばしてゆでる餡を入れる地域と入れない地域がある
やせうま
ゆでた生地にきな粉と砂糖をまぶす
やきもち
溶いた小麦粉を丸く薄く焼く
じり焼き
薄く生地を焼いて黒砂糖などを巻く
酒まんじゅう
麹で生地をふくらませた蒸し饅頭
ひやき
灰で焼く、だんご汁の残り生地で作るなど 作り方は様々で、じり焼きを指す地域もある

小麦粉以外にも、大麦・そば・さつまいも・米の粉でつくる郷土料理もあります。

STORY

小麦粉から広がる
大分の味

何気なく食べている料理の中には、小麦粉から作られるものがたくさんあります。世界各地の人々は、小麦を粉にし、水と合わせ、その土地の食材と組み合わせて、多彩な食文化を育んできました。例えば、大分の郷土料理である石垣もち・鮑腸・だんご汁も、その一つです。

同じ小麦粉でも、郷土料理の魅力はそれぞれにあります。石垣もちは、さつまいもの素朴な甘さがうれしいおやつ。鮑腸は、長く手延べした麺の食感と、だしや薬味を楽しむ料理。だんご汁は、季節の野菜と味噌の風味を味わう一品です。材料や形、調理法の違いによって、様々なおいしさが生まれます。

郷土料理には、食べられてきた場面や人々の暮らしも映し出されています。石垣もちは農作業の合間に働く人を支え、鮑腸はお盆やお祭りなどのもてなしに、だんご汁は日々の食卓に親しまれてきました。郷土料理を知ることは、地域の人々がどのように暮らし、誰と、どんなときに食べてきたのかを知ることでもあります。

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こうした大分らしい味わいを支えているのが、乾しいたけ、かぼす、地域の野菜などの食材です。例えば、だんご汁に地域の野菜をたっぷり入れ、魚や肉、豆類などのおかずを組み合わせれば、栄養バランスのよい食事にもつながります。お好みでチーズを加えるなど、アレンジを楽しんでもよいでしょう。受け継がれた味から、あなたの家のだんご汁が生まれていきます。

「おいしい」「作ってみたい」という気持ちが、食文化を受け継ぐ第一歩です。家族に我が家の味を聞いてみる。友人と一緒に作って、味わってみる。自分の手で生地をこねたり、延ばしたりすることで、文字や写真だけでは伝わらない感覚にも出会えるはずです。そんな小さな体験の積み重ねが、大分の食文化を未来へとつないでいきます。

郷土料理をつくってみよう !

三人の子どもたちが郷土料理を楽しむイラスト

RECIPE 01

石垣もち

石垣もち

材料(4個分)

さつまいも
70g
きび砂糖
25g
小麦粉(強力粉)
20g
小麦粉(薄力粉)
60g
ベーキングパウダー
2g
塩
1g
水
25ml

下準備

  1. 1

    水に塩を混ぜ、塩水を作っておく。

  2. 2

    ボウルにAを入れて混ぜておく。

  3. 3

    クッキングシートを8cm角に
    切っておく。

  4. 4

    蒸し器、または、せいろを
    準備しておく。

How to Make 作り方

  1. 1

    さつまいもを洗い、1.5cm程度の角切りにする。水で数回洗ってからきれいな水につけ、アク抜きをする。その後、ボウルに水気を切ったさつまいもを入れ、きび砂糖をまぶす。さつまいもから水分が出てくるまで10分程度置いておく。

  2. 2

    あらかじめ合わせておいたAを①に加える。さつまいもから出てきた水分を粉が吸収するまでしっかり混ぜる。

  3. 3

    作っておいた塩水を②に少しずつ加えて混ぜる。粉っぽさが残る場合は、水を少量加えて調整する。

  4. 4

    ③で作った生地を4等分する。手に生地がつかないよう、手に薄く粉をつけるかビニール手袋を着用し、それぞれ丸めてクッキングシートにのせる。

  5. 5

    蒸し器(またはせいろ)に④を並べ、15〜20分程度蒸す。さつまいもに火が通れば出来上がり!

RECIPE 02

鮑腸

鮑腸

材料(6人分)

小麦粉(中力粉)
500g
塩
17g
水
300~400ml
〈だし〉
いりこ
15g
乾しいたけ
10g
昆布
5㎝
かつおぶし
約5~10g
薄口しょうゆ
100ml
みりん
大さじ1と1/2
水
800ml
薬味
(お好みでごま、かぼす、しょうが、小ねぎなど)

How to Make 作り方

  1. 1

    小麦粉に塩を入れて混ぜ、水を少しずつ加えながら耳たぶくらいの硬さになるまでよくこねる。ぬれ布巾(ぬらしたペーパータオルでも良い)に包んで15分程度寝かせる。

  2. 2

    寝かせた生地を太い棒状にのばし、ひとつ20gくらいになるようにちぎっていく。ちぎったものにはぬれ布巾をかけておく。

  3. 3

    ②を両手のひらでよく力を入れてもみながら15㎝ほどにのばし、さらに10分程度寝かせる。

  4. 4

    ③を指先を使ってこよりをひねるようにのばしていく。ひっぱったり回したりしながら、2mくらいになるまで均一の太さにのばす。

  5. 5

    のばしたらすぐ、煮立ったお湯に入れて茹でる。

  6. 6

    2回差し水をして茹でる。

  7. 7

    茹で上がったら取り上げ、冷水で洗う。

〈だし〉

  1. 1

    乾しいたけ、昆布、いりこを水にしばらくつけておく。

  2. 2

    ①を弱火にかけ、沸騰前に昆布を取り出し、かつおぶしを入れる。

  3. 3

    かつおぶしが沈んだら布巾で濾し、薄口しょうゆ・みりんで味を調える。

RECIPE 03

だんご汁

だんご汁

材料(2人分)

小麦粉(中力粉)
100g
塩
ひとつまみ
水(だんご用)
50~60ml
いりこ
10g
水(だし用)
700ml
味噌
50g
里芋
2個
大根
50g
にんじん
30g
ごぼう
30g
しいたけ
2枚
ねぎ
適量
鶏肉(お好みで)
50g

How to Make 作り方

  1. 1

    小麦粉に塩を入れて混ぜ、水を少しずつ加えながら耳たぶくらいの硬さになるまでよくこねる。 親指大に分け、ぬれ布巾(ぬらしたペーパータオルでも良い)をかけて30分程度寝かせる。

  2. 2

    いりこを水に入れて中火にかけ、10分程度煮だし、濾してだしをとる(顆粒だしを使ってもよい)。

  3. 3

    里芋は皮をむいて7mmほどの厚さに切る。 大根とにんじんはいちょう切り、ごぼうはささがき、しいたけは軸を取り薄切り、ねぎは斜め切りにする。 鶏肉は1㎝角に切る。

  4. 4

    ②に野菜と鶏肉を入れ、鶏肉の色が変わるまで煮る。途中でアクを取る。

  5. 5

    ①を両手で薄く引きのばしながら④に入れ、火が通ったら味噌を溶き入れ、刻んだねぎを散らす。

粉食文化MAP

大分県の地域ごとに伝わる粉食料理を紹介した地図

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