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2010.09.18放送
鶴市傘鉾神事~お鶴と市太郎~

 今週は、中津市の八幡鶴市神社に伝わる、鶴市傘鉾神事をご紹介!毎年8月末に行われる県指定無形民俗文化財・鶴市傘鉾神事。推古天皇の時代・西暦600年頃に創建されたといわれる八幡鶴市神社を中心に周辺の19の地区が加わって行われる大規模なお祭りです。

 朝8時半。神社の境内ではまず神事が行われ、各地区の代表がお祓いを受けて五穀豊穣と祭りの無事を祈ります。その後、いよいよ傘鉾と神輿の出発です。この日は気温30度を超える猛暑。でも、参加者たちは意気揚々と傘鉾を担いでいきました。

 神社を出発した傘鉾と神輿は、湯屋、大新田、蛎瀬など中津市の中心部をゆっくりと巡行。その距離は約40キロもあり、日本一長い距離を練り歩くお祭りといわれています。

 1000人もの人が参加する、賑やかで華やかな鶴市傘鉾神事。しかしその陰には、悲しいお話が残されていました。この地域では何度も堤防が決壊し、命を落とす人が絶えませんでした。そこで、7人の地頭たちが知恵を出し、袴を川に沈めて最も早く沈んだ人が人柱になろうと決めました。

 湯屋弾正(ゆやだんじょう)という人の袴が最初に沈んだのですが、仕えていた家臣の娘のお鶴が、自分が人柱になると願い出ました。湯屋弾正はそれを許しませんでしたが、お鶴の息子・市太郎が、自分も一緒に人柱になりたいと懇願し、2人が人柱になることになりました。

 当時の様子を描いた掛け軸が、瑞泉寺に残されていました。2人は、七日七夜断食し身を清めた後、旧暦の8月15日に山国川の河原へと向かいます。人々は悲しみに暮れていました。いよいよ船が出発し、2人が沈められました。すると、川底から金色の鳩が飛び立ち、宇佐神宮に向かって飛んで行ったんだそうです。

 そして、山国川には無事、大井出堰が築かれました。今も沖代平野1000町歩に水を供給し、また、中津市民の水がめの役割も果たしていて、中津には欠かせない存在です。犠牲となったお鶴と市太郎を弔うため、鶴市傘鉾神事は今もこうして続けられているのです。

 さて、様々な色で華やかに飾りつけられた傘鉾の特徴はというと、まず、てっぺんには神様が宿るといわれる御幣がついています。そして、山車の上の方には豪華な赤い幕が巻かれているのですが、湯屋地区ではお鶴と市太郎のマークが刺繍されています。さらに、その上には中津の伝統工芸品である中津和傘が。その和傘に長い竹ひごをつけ、花を飾っています。花飾りは地区によって多様で、毎年思いをこめて手作りされるそうです。

 参加者たちは、太鼓や笛の音色を響かせながらひたすら街を練り歩き、夜10時頃にようやくお鶴と市太郎が人柱となった河原に到着。2日目には、神輿が山国川を勇壮に渡る「川渡り」が行われ、鶴市傘鉾神事はフィナーレを迎えます。祭りは今年で875年目。これからもみんなの心を一つに祭りを盛り上げていきたいと、皆さんおっしゃっていました。