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2013.01.12放送
生誕百年記念 高山辰雄展 ~生命(いのち)の賛歌~

 日本画壇に大きな足跡を残した大分市生まれの画家・高山辰雄。人間や自然をテーマにした作品を発表し、多くの人々を魅了してきました。大分市の県立芸術会館では、「生誕百年記念 高山辰雄展 ~生命の賛歌~」が開かれています。1970年を境に前期を大分市美術館、後期を芸術会館で展示していて、高山の展覧会としては最大規模のものです。


 画業を究め文化勲章を受章した、高山辰雄。1912年に生まれ、幼い頃から絵画に興味を持ち、将来は画家になることを夢見ていたといいます。東京美術学校(現在の東京芸術大学)に首席で合格し、日展を中心に活躍して来ました。

 高山が絵画を通して探求したテーマが、「人間」。生きる尊さや厳しさを問い続けました。「母(ぼ)」という作品は、母親と赤ん坊が神秘的なタッチで描かれています。そして、高山の代表作の一つが、「食べる」。食事という行為を通して、生きることの核心に迫った作品です。子供が中腰になり器にかぶりついて一心に何かを食べている姿は、生きるとは何かということを私たちに問いかけます。


 また、70年代には、家族を題材にした作品を多く発表し、注目を集めました。「地」は、男女と子どもが一つのかたまりのように寄り添い、絆の強さを表現しています。90年代に入ると、それまでの象徴的な家族像とは異なり、日常を切り取ったような様子が表情豊かに描かれています。96年の日展に出品された「トラックトレイラー」は、高山にしては珍しいほど生活感をにじませた作品です。

 そして、高山が好んで描いたもう一つのテーマが、「女性」。79年に発表された「少女」は、手足は自身の孫をモデルにしたとされていますが、顔の表情はどこか人間離れしたところがあります。手の仕草がとても繊細で、まるで生きているようでした。また、82年の日展出品作「部屋の中」は、人間の心の葛藤を独自の手法で表現した作品です。

 続いては風景画。自然の中で生きる人間の姿を巧みに描き出しています。風景の中には、家族がいたり、また人は描かれていなくても家の中からぼんやりと浮かぶ灯があったりと、必ず「人間の痕跡」が感じられます。故郷・大分の風景を描いた作品もありました。

 晩年の高山は、画業において唯一となる自画像も描き残していました。手足はしっかり分かるものの、顔には表情がありません。自分の生き様を斬新な方法でキャンバスに刻もうとしたのかもしれません。


 さらに会場には、高山が87年から99年にかけて手掛けた月刊誌「文藝春秋」の表紙絵の原画156点も展示されています。季節を感じるものや、日常を描いた作品など、高山自身のコメントを添えて毎月掲載されました。


 高山の人間性の温かさを直に感じられる展覧会。皆さんもぜひ足を運んでみて下さい!